ⓔコラム11-1-13 アルゴンプラズマ凝固 (APC) 法とラジオ波焼灼療法
APC法ではプローブ先端と組織との距離は10 mm程度まで離すことが可能で,接線方向を含めあらゆる方向に照射が可能であり,設定を変えることによりある程度凝固深度をコントロールできることから,簡便かつ安全に広範囲の腫瘍焼灼が可能である.
ラジオ波焼灼療法は,60~100 Wの高出力による気化・蒸散,20~50 Wの出力による組織変性・凝固により,腫瘍組織を破壊する方法である.わが国では,1990年代後半にポルフィマーナトリウムとエキシマダイレーザーを用いるPDTが表在型食道癌および早期胃癌に対して保険承認を得たものの,その後のESDの爆発的普及と,遮光期間が6週間と長期であること,日光過敏症の頻度が40%と高いことなどの問題もあり,施行施設は限られていた.
〔藤城光弘〕